ガイガカウンタ・簡易モニタリングポスト製作日記(2)

  • はじめてのArduino
  • ガイガカウンタは完成しましたが、ここからが問題です。常時監視、さらには異常事態に(あってはならないですが!!)自動的にメールを打たせる予定です。試行錯誤が延々と続きました。Arduinoという名前は聞いた事がありましたが、現物を見るのは初めてです。どうすればプログラムを書き込めるかも知りませんでした。

    ちっちゃいものくらぶさんのWebに書かれていますが、このキットGeigerduino standardのArduino互換ボードをWindowsから使うためには、まずドライバソフトを入れる必要があります。prolificのサイトからPL2303用USBドライバインストーラをダウンロードしてインストールしました。

    続いてARDUINOのメインサイトを開き、ダウンロードのタブをクリックしDownload the Arduino Softwareのページから、ArduinoIDEと呼ばれるプログラム開発環境ソフトのwindows版をダウンロードします。私がダウンロードした時は022版でした。現在のバージョンは1.0となっていて、一部スケッチの書式に変更があったようです。zipファイルを展開したフォルダの中にあるarduino.exeが目的のソフトです。

    このArduino互換ガイガーカウンタ内のスケッチを書き換えてLinuxBoxと通信できるようにするのですが、いま現在動いているスケッチをあらかじめダウンロードしておきます。

    初めて使うArduinoIDEですが、あらかじめサンプルが入っているので、ちょっと試してみることにします。Geigerduino standardをUSBケーブルでPCと接続してArduinoIDEを起動します。ちなみに、話はそれますが、Windowsのデバイスマネージャーの[ポート(COMとLPT)]を見ると先ほどインストールしたUSBシリアルポートが確認できます。

    さて、起動したArduinoIDEのメニューバーから[File]を選択し「examples][Basics]と進み[Blink]をクリックします。すると別のWindowが開き、C言語風のスケッチが表示されます。一見すると尻込みしてしまいそうですが、コメント文をたよりに一行づつ見ていくと、どうやら一秒ごとにLEDを点滅させるプログラムだということがわかりました。

    メニューバーの下に右矢印のアイコン[→::]がスケッチをアップロードするボタンです。

    [Binary sketch size: 1018 bytes ・・・]

    と表示されプログラムがコンパイルされました。この時点で[Serial Port COMx not found.]というようなポップアップが出てきたときは、先ほどつなげたUSBケーブルがうまく選択されていないので、正しいPort番号に直します。

    [Done uploading]

    のメッセージで完了すると、しばらくしてからGeigerduino standard上にあるLEDが一秒ごとに点滅を始めました。なんて簡単なんでしょう。こんなに簡単にプログラムを読み込ませることが出来るとは思っていませんでした。いろいろと調べると参考になる資料も豊富で、スケッチも少し勉強すると自分にも書けそうです。私にとっては素晴らしい発見でした。

    そうそう、このままではガイガーカウンタの役をはたしませんから、元にもどしておきましょう。ダウンロードしてあった元のスケッチ(拡張子がPDE)をIDEからオープンして、先ほどと同様にアップロードしました。無論大丈夫だとは思っていましたが、ちゃんとガイガーカウンタとして動き始めたのを見て、ほっと胸をなでおろしました。

    Blinkを選択します

    Blinkを選択します

    ガイガカウンタ・簡易モニタリングポスト製作日記(1)

  • ガイガーカウンタKITの製作
  • 福島第一原発の事故以来、残念ながら私たちは放射線の脅威にさられることになりました。今でも避難されている方々は本当に大変だと思います。心からお見舞い申し上げます。

    私の住んでいる所は幸い事故の影響は軽微でしたが、それでも隣の市で栽培されている狭山茶の一部が販売停止になるなど、いくらかは影響があるようです。

    行政でも放射線の測定を行ってくれいていますが、放射線の計測機器があれば何かと便利です。放射線に関する知識は持ち合わせていないので、いろいろなサイトで勉強させてもらいました。

    値段的に手が届きそうな市販のガイガーカウンタでは、放射線強度の精度は余りあてにならないとの情報を得ましたので、いっそのこと自分で製作することにしました。持ち歩いて計測が出来て、さらには現在稼働しているLINUXサーバ(Debian squeeze)に接続し常時観測できるような物をめざしました。

    方々のサイトで製作記事を見せてもらいましたが、オシロスコープなどの測定器が無い事がネックになって、部品を一から集めて製作は難しいようです。一式揃っている手ごろなキットを物色する作戦にしました。

    まず最初に目についたのは、ストロベリー・リナックスさんのUSBガイガーカウンタキットでした。これはα線も検出できるみたいです。ただ残念なことに私がWebを見た時は商品入荷待ちの状態で、いつ発送していただけるかわかりませんでした。他のサイトでもガイガーカウンタキットは人気で品切れになっている所が多くありました。

    方々検索をして見つけたのが、「ちっちゃいものくらぶ」さんが出している商品です。「ガイガーカウンター Geigerduino standard」と言います。このキットでは、もっとも良く製作記事に出てくるロシア製のSBM-20というガイガーミューラー管が使われています。

    値段も9500円とお手ごろです。電源はエネループなどのニッケル水素電池×4(4.8v)またはUSBから給電することが可能です。ATMEL社製マイクロプロセッサATMEGA328Pを使用して、Arduino互換だそうです。早速購入の手続きをしました。

    注文をした後で発見したのですが、若松通商さんで売っている放射線簡易モニタリングポストMark2もなかなか良さそうでした。LANコネクタが標準で装備されていてpachubeなどにデータを送ることができるみたいです。ただ、こちらはACアダプタ使用と書かれているので、外に持ち出して計測するのは少々工夫が必要かもしれません。

    注文の品物が届き、久々に半田コテを取り出して、早速組み立てです。説明書は同梱されていないのですがWEBで丁寧に組み立て方が解説されています。部品の数もそう多くないので1時間程度で半田付け終了です。半田付けの経験がある人は簡単に作ることができると思います。

    また、このキットにはケースが付いていないので適当な入れ物に入れる必要があります。オプションですが、ちっちゃいものくらぶさんでは、とても小型で持ち運びに便利そうなケースの販売もしてくれます。私はβ線を遮るシールドを付けたかったので、ポリプロピレンで出来ている半透明の小物入れをケースにしました。

    最後の配線チェックを終えて、電源を入れます。緊張の瞬間ですね。するとバックライト付の液晶表示機が点灯し、LEDがチカチカと灯り計測をはじめました。やりました、完成です。

    このキットでは1分間に何回放射線が検出されたか(CPM値)だけが表示されます。表示部バックライト付のLCD2行で、1行目には10秒間(放射線の強度によっては5秒間)のCPM値、一分間の移動平均CPM値、スタートからトータルのCPM値、都合三つが表示されます。2行目にはカウントしたCPM値をバーグラフにした物と経過分数が表示されます。

    ちいちゃいものくらぶさんではこのプログラム(Arduinoではスケッチと呼ぶそうです)を公開していますので、自分流にこれを改造することができます。この事もこのキットを選択した大きな理由の一つでした。ちいちゃいものくらぶさんのWeb上では、有志の方がμシーベルト表示にするスケッチを公開されていました。

    自宅の部屋で計測すると、時間とともにランダムに変化して6~30CPMを記録しました。放射線の量が一定で無いことが良くわかります。平均すると17~18CPM程度です。部屋の外もだいたい同じ数値でしたが、雨どいの水の流れ落ちるところだけは計測すると少し高く表示されました。

    higuchi.comさんのサイトを参考にさせていたくと、SBM-20では大体

    (CPM値-13)÷132=μSV/h値

    という関係だそうです。18CMPで計算しますと 0.038μSV/hとなります。自分の住んでいる所の放射線量が低いという事はとても幸いでした。

    大きめのユニバーサル基盤の上にレイアウト、ステンレスパイプをβ線シールドに

    大きめのユニバーサル基盤の上にレイアウト、ステンレスパイプをβ線シールドに